見捨てられた花嫁は
騎士公爵様に愛されました
【本体639円+税】

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●著:御堂志生
●イラスト:緒花
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-87919-391-9
●発売日:2018/03/24

君以外の誰を妻と呼べばいいんだ?


伯爵令嬢ユージェニーは結婚式直前で婚約者に逃げられ、急遽その兄のグレン公爵ネイサンと挙式することになる。彼女は元々ネイサンに思いを寄せていたものの、彼がやむをえず自分を娶ったのではないかと不安を覚える。「気持ちよくさせてあげよう。私から離れられなくなるくらいに」大好きな人に初めてを捧げ、愛されて幸せを感じるユージェニーだが、彼は弟が彼女の純潔を奪ったと誤解していて、やはり責任を取ったのだと知り!?




ネイサンが夫であれば、『あなたの妻になれて幸せです』という言葉くらい、百回でも千回でも言えるだろう。
そのとき、上半身がふわっと楽になった。
背中で結んだコルセットの紐を、ネイサンが緩めたせいだった。コルセットがストンと腰の辺りまで落ち、あとを追うようにシュミーズまで脱げてしまいそうになる。
「きゃっ!?」
慌てて胸の辺りを押さえようとしたとき、その手をネイサンに掴まれた。
シュミーズが落ちた瞬間……柔らかな栗毛がユージェニーの胸元を覆う。その頂を、彼の視線からかろうじて隠してくれたのだった。
「隠してはダメだよ。私にも、君の女神のような裸身を見せてほしい」
「女神だなんて……そんな……」
彼にそんなことを言ったのは父に違いない。父はユージェニーのことを『女神のように美しい』と賛美する。
「手で隠さないように。私にも触れさせてほしい」
「そんなこと……触れられたことなど、ありませんから」
「本当に?」
どうしてそんなふうに聞くのだろう。
首を傾げつつ、ユージェニーは小さくうなずいた。
「君の言葉を信じよう。だが、私は夫なのだから、触れてもかまわないはずだ」
ネイサンは彼女の手を放すなり、両手の指を栗色の髪にかけ、後ろに払った。
露わになった胸を冷たい風になぞられ……ユージェニーはフルッと身震いした。直後、ネイサンは下からそっと持ち上げるように触れたのだった。
大きな手で包み込むようにして、優しく揉みしだく。
「ぁ……ふ、ん……んんっ……ぁっ」
壊れ物でも扱うような仕草に、堪えきれずに甘い吐息が漏れてしまう。
「二年前に比べて、ここはだいぶ成長したようだ。たわわに実った胸が、とても美味しそうに見える」
「に、二年、前は……ご、ご覧に、なってない、ですよ……ね?」
なるべく、彼の顔を見ないように尋ねる。だがネイサンのほうから、彼女の顔を覗き込んできた。
「舞踏会用のドレスは、上からだと谷間がよく見えるんだよ。知らなかっただろう?」
そう言うと、ネイサンは少年のような顔で笑った。
ずっと憧れてきた彼が口にするとは思えない言葉と、想像もしなかった笑顔。それらは一瞬でユージェニーの心を攫い、彼から目が離せなくなる。
ただただ、釣り上げられた魚のように、パクパクと口を動かすだけだ。
「驚いたかい? だが、私もひとりの男なんだ。魅力的な谷間を見たら、吸い寄せられそうになるし、それを横から奪われたら、八つ当たりくらいはする」
その言葉の意味は、半分もわからなかった。
わかった部分だけでも頭の中で整理しようとしたとき、ネイサンが彼女の胸の先端をパクッと咥えた。
「あ……やぁっ」
これまで経験したことのない刺激を受け、ユージェニーの思考は止まってしまう。
チュッ……チュッと音を立てて吸いつきながら、ネイサンは舌の上で、彼女の敏感な頂を転がしていく。
ユージェニーの身体が小刻みに震えてくる。
もう少しゆっくり進めてほしくて、ネイサンの腕に触れた瞬間――仰向けに押し倒された。
「どうした? もう、おねだりか?」
今度は意地悪そうな声で尋ねてくる。
(気のせいよ。ネイサン様に限って、意地悪なんて言うはずないもの)
ユージェニーは唇を噛みしめながら、声を出すまいと必死に耐えた。
すると、そんな彼女を試すように、ネイサンの指がドレスの裾を掴んだ。そのまま一気に捲り上げ、露わになったドロワーズの腰紐をほどき始める。
「え? あ……待ってくださ、い……あ、ダメ」
腰紐をほどいてしまえば、あとは簡単に脱がされてしまう。
夫婦になったのだから、彼がユージェニーの身体を求めるのは当然のことだ。相手が急に変わってしまったとはいえ、結婚を決めた以上、ちゃんと覚悟している。
だからこそ、せめてオイルランプを消して、寝室を真っ暗にしてから……この先まで進んでほしい。
「何が、ダメ?」
「寝室は……真っ暗にしていただきなさい、と……お母様が……それに、ナイトドレスではないから……わたし、どうすれば」
嫁ぐ前、母から教わったことは、
『ナイトドレスの裾から夫が手を入れてくるので、そのままジッとしていなさい。ドロワーズは脱がされてもかまいませんが、ナイトドレスは着たままでいること。最初の夜は、なるべく肌を見せないようにしながら受け入れるのですよ』
ファロンより若干具体的ではあったが、そこから先は同じようなものだった。
「ああ、女王陛下から贈られたドレスを汚すのは嫌ということかな? では、私が脱がせてやろう」 
コルセットはすでに外されていた。
そのため、彼はウエディングドレスだけでなく、シュミーズまで一緒に脱がせようとする。
このままだとドロワーズ一枚になってしまう……と思ったとき、すでに腰紐がほどかれていたドロワーズも一緒に、あっという間に足先から引き抜いてしまった。
「ネ、ネイサン様!? いきなり、こんなこと」
たしかにウエディングドレスを汚したくはなかったが……。
早速、母の言いつけを破り、一糸纏わぬ姿を見せることになってしまうとは。
肌を隠そうと身をよじるユージェニーに向かって、
「君の母上は、最も大事なことを教えてくれなかったのか?」
「だ……大事な、こと?」
ネイサンは、ほどけかけて首にぶら下がったクラヴァットをいささか乱暴に抜き取ると、床に放り投げた。そしてモーニングコートを脱ぎ、ウェストコート、白い絹のシャツと順に脱いでいく。
ユージェニーが初めて目にする、逞しい男性の裸だった。
とても、自分と同じ人間の身体とは思えない。男女の裸にこれほどまでの差があるとは、考えてもいなかった。
「寝室の主権は夫にある。すべては夫である私の言うとおりにすること。妻は決して逆らってはいけない。――わかったかな?」
ネイサンはコールズボンの前を寛がせながら、思わせぶりに微笑んだ。だが、その目は決して笑ってはいなかった。
(……こ、怖い……)
ユージェニーの胸に大きな不安と小さな恐怖が広がっていく。
「どうした?」
「い、いえ、嫌じゃないです。わたしは、あなたの妻になれて……幸せです。あなたの、言うとおりに……」
そこまで口にしたとき、涙が込み上げてきた。
必死に我慢しようとしたが、止めることができず、こめかみを流れていく。
そのとき、ネイサンの手が伸びてきて、指先で涙を拭ってくれた。
「泣かせるつもりはなかった。ただ……いや、私が怖いか?」
ユージェニーは本当に怖いと思ってしまったことに後ろめたさを感じ、思いきり首を横に振った。
「では、君に口づけてもいいだろうか?」
「は……い」
掠れる声で答えたとたん、ネイサンに唇を塞がれた。
だが、さっきのように押しつけたままではなく、チュッチュッと軽く押し当てては離す、というのを繰り返す。
「これくらいなら、息を止めたままでなくても大丈夫だろう? もし、途中で苦しくなったときは……」
今度は唇を重ねたまま、ほんの少しだけずらし――そして、わずかに口を開いて、彼女の唇を甘噛みした。
びっくりしてユージェニーも口を開いてしまい……。
「こうして、息を吸えばいい。ほら、簡単なことだ」
言われて初めて気づく。ずっと唇を重ねたままなのに、最初のときに比べると息苦しくなかった。
キスに夢中になっているうちに、彼の手はユージェニーの太ももを撫でさすり始めた。
何度も上下させながら、少しずつ、少しずつ……彼女の脚の間に押し入ってくる。
ネイサンは薄い茂みを撫で回したあと、固く閉じた花びらをこじ開けるようにして、指先を花芯までたどり着かせた。
「あっ……やっ、ん」
大事な部分に触れられた瞬間、ユージェニーの下肢はピクンと震える。
「美しい身体だ。豊かな胸も、くびれた腰も、このすべてを私だけのものにしたかった」
「それは、どう……い、う……ゃあ、はぁう」


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