離縁されました。再婚しました。
仮面侯爵の初恋
【本体1200円+税】

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●著:東 万里央
●イラスト:すずくら はる
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-4010‐4
●発売日:2019/2/28

「私は君に二度恋をしたんだよ」
冷酷侯爵との超絶とろ甘ライフ!?

夫の愛人に子が出来たため、不妊の烙印を捺され離縁された男爵家令嬢のクロエ。実家にも居場所がなく修道院ゆきを覚悟していたところ、有能だけれど常に仮面を被り『妻殺し』の異名を持つ侯爵ロランから求婚が! 怯えながらも再婚したクロエを待っていたのは、今まで経験したことのない甘い新婚生活で!?
『ムーンライトノベルズ』大人気作品、待望の書籍化!




 初夜から一週間後の夜、クロエは久々に身体を起こし、数少ない特技である刺繍を楽しんでいた。
 ところが完成も間近になって、見舞いに訪れた者がいたのである。──ロランだった。ロランは片腕いっぱいに、薄ピンクの薔薇の花束を抱えていた。
 クロエはまた抱かれるのだと勘違いし、小動物のように震えながらも、悲愴な覚悟でロランを出迎えた。まずはベッドの上に三つ指をつき、ロランに謝罪の言葉を述べる。
「せ、先日は申し訳ありませんでした。気を失ってしまい、ロラン様にご迷惑をおかけしました……」
「……クロエ?」
 ロランはかちんとその場に固まっている。
「き、今日はちゃんと……さ、最後まで頑張って起きていますので、どうかお許しください……」
 クロエはロランの手間を省こうと、寝間着のボタンに手をかけ脱ぎ始めた。その顔は熟れた林檎のように、真っ赤に染まっている。
「……待て。違う。今日はそのつもりはない!」
 ロランは慌ててクロエを止めた。ベッドの端に腰を下ろすと、まずは「これを」と薔薇の花束を手渡す。クロエは「きれい……」と目を輝かせた。男性から花をもらうのは初めてだ。それに、薄ピンクはクロエがもっとも好きな色だった。
 ロランは気まずそうにしていたが、やがて仮面越しのその目をクロエに向けた。
「まずはその……悪かった。まさか君が処女だとは思わなかった」
 逞しい肩がしゅんと落ちる。
「話も聞かずに無理やり君を抱いてしまった。……謝るだけでは済まないと思っている」
 今度はクロエの目がまん丸になった。男から、それも夫から謝られるなど、夢にも思わなかったからだ。
 クロエは父から何があっても夫に従い、口答えをするなと教えられてきた。だが、謝罪への対応は習っていない。おろおろとロランを宥めるしかなかった。
「ど、どうぞお顔を上げてください。そんな、私なんかに謝らなくてもよろしいです。わ、私はロラン様の妻です。お好きなように扱ってくださいませ……」 
 ロランが顔を上げ、「お好きなように……」とぽつりと呟く。だが、何を想像したのか、すぐに「いや、だめだ。それはだめだ」と首を左右に振った。
「クロエ、夫婦とはそうしたものではない。私がそんなことを言えた義理ではないのだが……君とはもっとちゃんとした夫婦になりたい」
 クロエの手を取ると、大きな茶の目を覗き込む。
「だから、君がいいと言うまで、二度と君には手を出さない。どうか安心してこの屋敷で暮らしてくれ」
 クロエはロランの言葉に、しばし呆然としてしまった。
「お、優しいのですね」
 やっと出た言葉がそれだった。じんわりと胸に温かさが広がる。
 嘘か真かもわらかぬ噂に惑わされ、女を食らう悪魔のように捉えていたことを、ひどく恥ずかしく申し訳なく感じた。

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