美貌の王宮医師に
めっちゃ執着されてます
【本体685円+税】

amazonで購入

●著:七福さゆり
●イラスト:Fay
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-2027-4
●発売日:2019/3/25

あなたの全てが、ぜんぶ好きだ

公爵令嬢マリアは婚約者の浮気により婚約破棄された。苦手な相手だったので安堵していたところ、王弟で王宮医師のクロードに求婚される。周囲は良縁と喜ぶが、以前クロードに打ち身の治療だと、お尻を触られ絶賛された上にキスまでされた経験のあるマリアの心中は複雑。だが身分上、断れず。「甘くていい香りがする。花に寄る蜜蜂もこんな気分なんだろうか」と、少々変人だがマリアに夢中で溺愛してくるクロードにほだされていき…!?




「膝枕を要求する」
「えっ! そ、それは……」
「膝枕をしてもらえればマリアを堪能することもできるし、睡眠を取ることもできる。いいだろうか」
そう尋ねながらも、クロードは膝枕をさせる気満々のようだ。マリアを強引に座らせ、答えを聞く前に、頭を柔らかな太腿に乗せていた。
「もう、既にさせてるじゃないですか」
「マリアなら許してくれると思った。……あなたは上から見ると可愛らしいが、下から見ると艶やかだな」
「きゃあ! 下からなんて、見ないでくださいっ! 可愛いわけないじゃないですかっ! あちらを向いてっ」
強引に横を向かせ、下から眺められることをなんとか回避した。
「三十分ほどで起こしてくれ。足が疲れたら、もっと早くで構わない」
「わかりました」
余程眠かったのか、クロードからは、すぐに寝息が聞こえてきた。マリアは付けたままの彼の眼鏡を外し、手を伸ばしてテーブルに置く。
膝にかかる重みや温かさが、なんだか愛らしく感じる。
猫を膝に乗せている時と似て……ううん、もっと、何か別な感じがするわ。
手持無沙汰のマリアは、クロードの顔をまじまじと眺めてみることにした。
金色の睫毛がとても長いことに驚く。肌はとてもきめ細やかで、触れてみたいと思う程だ。
いつもは鋭い印象を持つ顔立ちだが、眼鏡を外し、こうして眠る姿は少しだけ幼く見える。
気が付くと手を伸ばし、彼の頭を撫でていた。
あ……。
触れた瞬間、ハッと我に返る。
これではお尻に引き寄せられたと言って、自分のお尻を撫でてくるクロードのことを怒れない。
クロード様の髪、とてもサラサラだった。
もう少しだけ……。
クロードの頭を撫でていると、心の中がとても温かく感じる。昔、妹のサラによくこうしてあげていたが、その時とはどこか違う。なんだかキュンとしてしまうのだ。
もう少しだけ撫でたいけれど、気付かれてしまうだろうか。いや、でも、よく眠っているし、きっと大丈夫なはず。
欲望に抗えなかったマリアは、再び彼の頭に手を伸ばした。
すると少し撫でたところで、クロードの目が薄らと開く。マリアは慌てて手を引っ込め、自分の胸元へ持って行く。
「もう、やめてしまうのか?」
「な、何がですか?」
「頭を撫でてくれていただろう」
気付かれていた……。
「い、妹が小さい頃、そうしてあげていたのを思い出して。その……勝手に、ごめんなさい」
「謝る必要などない。膝枕をしてもらい、頭を撫でてもらうというのは、気持ちがいいものなのだな」
「お母様にしていただいたことは、ないのですか?」
確かクロードの母は、彼が十歳の時に病気で亡くなっていると記憶している。それまでに撫でてもらったことがあっても、おかしくないと思うのだが。
「ああ、そういったことは、なかった。されたいと思ったこともない。母は恐れの対象だったからな。できるだけ近付きたくなかった」
「怖い方だったのですか?」
「よく怒鳴っていたから、幼い頃はとても恐ろしかったな。今ならうるさいとしか思わないだろうが」
「そうでしたか……」
クロードは、飄々としてどんなことにも臆さないように見える。だが、今までとても苦労して生きてきたのだろう。
胸が苦しくなり、勝手に動いた手がクロードの頭を撫でていた。彼は気持ちよさそうに瞳を細め、口元を柔らかく綻ばせる。
「母にはしてほしいとは思わないが、あなたにはしてほしい」
心臓が大きく跳ね上がり、頬が熱くなる。
「ええ、いいですよ」
「本当か?」
「嘘を吐いてどうするのですか」
「では、たびたび頼むことにしよう」
クロードは自身の頭を撫でるマリアの手を掴むと、手の平にチュッと唇を押し当てる。
「……っ」
既に熱い顔が、余計に熱くなってしまうのを感じる。するとクロードが身体を起こし、眼鏡をかけた。
「クロード様、お休みにならないのですか?」
「ああ、もうしっかり休んだ」
「いえ、五分も眠っていないですよ」
「もう眠くない」
クロードはマリアの顎に指を宛がい、綺麗な顔を寄せてくる。唇にキスをしようとしているのだとわかっても、彼女は拒まなかった。
自然と上瞼が落ちて、気が付いたら瞑っていた。薄らと開いた赤い唇に、クロードの柔らかな唇が重なる。
一瞬触れるだけかと思いきや、一度唇を離してマリアの顔を見たクロードは、もう一度唇を重ねてきた。
「んっ……ん……」
角度を変えながら何度も唇を奪われ、心臓が壊れてしまいそうになるほど速くなる。
身体がだんだん熱くなってきたのは、ドキドキしすぎているせいだろうか。
やがて唇を割って、長い舌が入り込んできた。
「……っ……ん! んぅ……っ」
長い舌は小さな咥内を隅々までなぞり、自分の咥内だというのに、どこに置いていいかわからずにいたマリアの舌を攫う。
「んんっ……」
ヌルヌル絡めているうちに唾液が溢れ、お腹の奥が熱くなっていくのを感じる。触れられてもいない秘部が切なく疼いて、マリアは彼のジャケットをギュッと掴む。
「あなたの唇は、柔らかくて、とても甘いな」
「あ、甘いのはきっと、さっきマカロンを食べたからです……」
舌が余韻で、甘く痺れていた。もうキスは終わったのに、秘部が疼いたままで、戸惑ってしまう。

☆この続きは製品版でお楽しみください☆


amazonで購入

comicoコミカライズ
ガブリエラ文庫アルファ
ガブリエラブックス4周年
ガブリエラ文庫プラス4周年
【ガブリエラ文庫】読者アンケート
書店様へ
シャルルコミックスLink
スカイハイ文庫Link
ラブキッシュLink