いきなり王太子妃!?
純白プリンスと黒男爵の娘
【本体685円+税】

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●著:しみず水都
●イラスト:旭炬
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-2043-4
●発売日:2019/11/25

君を、未来永劫愛し続けるから

黒男爵と恐れられる父を持つデルフィアは、王太子ライアンを密かに慕っていた。あるときライアンが呪いをかけられ、デルフィアの住む城に幽閉されることになる。黒男爵はライアンに浄化の力を持つ娘のデルフィアを抱けば呪いが解けると言う。「君が近づいたら、私は堪えられない。出て行ってくれ」父に媚薬を盛られ、苦しむライアンに己を捧げる決心をするデルフィア。義務であるはずの行為は蕩けるように気持ちよく、甘美で!?




「ライアンさま!」
彼の名を口にしながら駆け寄る。
「だ、だめだ! 来るなっ!」
きつく目を閉じたまま、強い口調で叫んだ。
「でも……」
「わ、わかっている! なぜ私が……こうなって、しまったのか……」
「えっ?」
「魔石の……せいで、欲望が……暴走して、い、いるのだ」
王太子として王城の神殿で、魔石を崇め奉る祭祀を担当しているのだ。魔石の力のせいで起こりうる事象を、デルフィアの父と同じくわかっているのである。
「それなら……」
「だからこそ! 今、君が近づいたら、私は堪えられなくなってしまう」
首を振ってライアンが訴えた。
「お願いだ。ここから出て行ってくれ、でないと……っ、わ、私は、今すぐにでも君に襲いかかってしまう!」
頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうのではないかと思われるほど、ライアンは強く首を振りながら叫んだ。
「こんな……わたしでも、抱きたくなるのですか?」
ライアンの拒絶には従わず、デルフィアは更に彼に近づきながら質問する。
「出て行ってくれ、君を道具にするようなことはしたくない」
ふたたび強く目を閉じると顔を背けた。
「殿下のお気持ちに関係なく、わたしを抱きたくなるのですね?」
「本当に、堪えるのが、つらいんだ……だから……」
出ていってくれと、ベッドに床に顔を押しつける。
「わ、わたしなんかでも、欲しいから辛いのですか?」
デルフィアは問いかけながら、ライアンの背にそっと手を乗せた。どんな状態であれ、自分を欲してくれているというライアンの言葉にドキドキしている。
「き、君だからだよ!」
背中に触れられたライアンが飛び起きた。
「ライアンさま」
彼に手首を掴まれたデルフィアは驚いて目を見開く。
「こんなになっているのは、君のせいだ」
デルフィアの下腹部に向けて、ライアンが腰を突き出した。彼の下腹部には、凶暴なほど赤黒く膨らんだ男根がそそり勃っている。
「きゃっ」
男性のものを目にするのは生まれて初めてだ。騎士の彫刻や天使たちの足の間にあるものと比べると、恐ろしいほどに大きい。それがどれだけライアンを苛んでいるのか、乙女のデルフィアにも痛いほどわかる。
(ああ、でもこれって、わたしに反応しているのよね?)
ライアンはデルフィアにとって初恋の王子さまだ。その彼が自分に発情している。その辛さから助けるためなら、乙女の純潔を捧げてもいいのではないか。
デルフィアが決心したのとほぼ同時に、ライアンの両腕がゆっくりと持ち上がった。彼の大きな手が、震えながらデルフィアの肩を掴む。
「もう……我慢できない」
デルフィアの身体を抱き締めた。
「あっ」
そのままベッドへ押し倒される。
「なんて魅力的なんだ……」
ライアンがうっとりとした顔でつぶやく。
「あ、あの……」
戸惑いながらライアンを見上げた。
「ごめん。君を……私のものに、する」
「は……はい。でもあの……無理に好きだとおっしゃらなくても……いいです」
「無理などしていない。こんな状況は望んでいなかったが、私は君を抱きたい。拒絶されても、もう止められない」
ライアンの手がデルフィアの頬に添えられた。
「んっ……」
彼の形のいい唇が、デルフィアの唇に重ねられる。
(わ、わたし、殿下と!)
初めての口づけだった。
それも、ずっとあこがれていたライアン王太子とである。
こんな状況であっても、デルフィアの胸はときめき、触れ合う唇から伝わる感触に、頭の中がクラクラした。
「ん、んんっ……うっ」
彼の唇がデルフィアの唇と軽く擦れ合うように動く。くすぐったさにすこし口が開くと、温かく濡れたものが侵入してきた。
(これは……)
ライアンの舌だ。
デルフィアの歯列をうかがうようになぞり、口腔へと進んでいく。
「は……ぁ……ふぅ」
男性の舌で口腔を探られるという初めての経験に、デルフィアはぼうっとされるがままになってしまう。
舌はデルフィアの舌を探し当てると、とても自然に絡みついてきた。
(どうしてこんなに、気持ちがいいの?)
ライアンの舌と絡み合っていることに恥ずかしさを感じるけれど、それ以上にゾクゾクするような快感を覚えていた。
しばらくすると舌が解け、ゆっくりと唇が離れていく。
「は……」
淫靡な口づけにうっとりしていたデルフィアを、ライアンの青い瞳が見上げている。
「想像以上に美味しかった……」
うっすらと笑みを浮かべて言うと、ふたたびデルフィアへ顔を寄せた。
「あ……んっ!」
耳のすぐ下にライアンの唇が当てられて、びくっとした。次に彼の舌が首筋を舐め始める。
「あああっ」

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