とろ甘新婚生活
元カレ御曹司がママと
息子を捕獲しました!
【本体685円+税】

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●著:華藤りえ
●イラスト:ゆえこ
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-2047-2
●発売日:2020/02/25

一生、大切に愛して、幸せにするから

シングルマザーの高辻咲和は、祖母と息子の北斗と郊外に暮らしていたが、かつての恋人で会社社長の香我美昴がいきなり訪ねてくる。彼は北斗の父親だった。咲和は昴が誰も愛さないと語るのを聞き彼の許を去ったのだが、昴は近所に家まで建て、咲和に熱く結婚を迫り始める。「言ったぞ。黙って、全部を味わわせろと」全力で咲和と北斗を守り慈しもうとする昴に咲和はぐらつくが、彼が唯一人愛したという女性の存在が気にかかり!?




(なにを言っているんだろう。この男は)
愛なんて妄想だ。咲和を愛する訳がない。――そう口にした癖に。
突然、腹の底がかっと熱くなった。
愛なんて馬鹿げた嘘を吐かなくても、今まで通り欲しいものはあげる。このままの関係を続けたい。そんな不誠実な言葉で関係を砕いた癖に、なにを言っているのだろうか。
「納得されようとされまいと、私には関係ありません。迷惑ですから、帰ってもらえませんか」
いらだちからとげとげしい物言いをするが、容赦する必要はない。
「帰ってください。二度と来ないで」
「嫌だ。咲和とちゃんと会うまでは、帰れない」
感情を圧し殺した声なのに、香我美のセリフは駄々っ子のようだ。
家の外ではそつのない紳士な癖に、咲和や親しい相手に対してだけ、こんな意地を張る。
(そういう処も含めて、本当に、好きだった)
甘く焦げた記憶にほだされかけ、咲和は慌てて頭を振る。
「会う気なんてないですから」
「だったら咲和が家から出てくるまで、待つ」
「待つって、まさかあの目立つしか能がないリムジンで!? 冗談でしょ!」
畑道の真ん中に鎮座していたリムジンを思い出し、咲和の声が裏返る。
「他にどこで待てというんだ。……立っていろというなら、雪が降ろうと台風になろうと、寝ずにここに立っていてもいいが」
馬鹿じゃないですか、と口にしかけ危うく呑み込む。
香我美が待つのは勝手だが、北斗にどう説明すればいいのだ。
「どっちもダメに決まってます。ご近所に見つかればなにを言われるか」
「田んぼしかないが」
冷静に状況を突っ込む香我美に目眩がする。
田舎を知らない彼にしてみれば、咲和がどうして嫌がっているのかわからないのだろう。
(あんなリムジンが家の前にあったら、身売りしたとか、極道の愛人だったとか、めちゃくちゃな噂を立てられるじゃない!)
だからといって、ソレを説明すれば、爐任蓮∈蚣造困らないように手を打ってくるから、終わったら出てこい瓩噺世そ个靴ねない。いや、香我美なら言う。
行き詰まった状況が嫌で、咲和は後頭部を引き戸の格子にぶつける。
鈍い痛みが脳を揺さぶったが、今はそれが気持ちいい。
「突然すぎます。……常識として、先に連絡するものでしょう?」
「連絡したら、咲和は逃げるだろう」
考えや行動を読まれている。伊達に咲和と一年半も同棲していた相手ではない。
「逃げるなんて無理です。私一人ではありませんし」
「一人でなくても逃げるだろう。五年前みたいに。……身重のくせに、俺になにも言わず、なにも知らせず、突然、消えて」
きしむほど強く引き戸が押され、どきりとした。
「あんな消え方をされて。捜しても、捜してもいなくて。……俺は、咲和が死んだのかと」
一言ずつ、噛みしめるように言われ、目をみはる。
捜したということ、そして――。
(身重のくせにって、昴さん、知って、た? 五年前から?)
それに、死んだとはどういうことだ。
子どもと生きて行く覚悟をしたのに、どこがどうなって死んだなどと思われたのか。
(昴さんに色々バレないように、戸籍や住民票の閲覧制限までかけて、なにもわからなくしたけど。それだけで死んだって思うの、かな……)
なんだかわからないことだらけだ。詳しく尋ねたいが、引き戸を開ける勇気がない。
香我美と顔を合わせたら、気持ちで負けてしまいそうな気がする。
心を落ち着けるために深呼吸をして、振り返る。
(どうせ、二度と会わないと決めた相手だ)
好奇心を押し殺して咲和は顔を上げた。
薄い磨りガラス越しに香我美の輪郭が見える。背が高く、均整の取れた懐かしい身体が。
触れたがる欲求を無視し、咲和は一気に吐き捨てた。
「帰ってください」
「嫌だと伝えた。君に会えるまで待つ」
「そんなこと言われても、困る」
「わかっている。俺も、咲和を困らせるために来ているんじゃないんだ。……ただ、君に会いたい。ちゃんと顔を見たい。触れて、君がいるのが現実だと確かめたい」
「え?」
どうして会うことにそこまで香我美がこだわるのか、わからず戸惑っている間に、彼は恐ろしいことを語りだす。
「俺は、別れたことに納得なんてしていない。この問題に関しては絶対に譲る気はない。第一、……子どものことだって」
「昴さんに関係ない!」
発作的に叫んでいた。北斗のことを隠さなければと本能で思う。
「あれは、昴さんと別れた後に、やけになって……、それで」
頭で考えながら嘘を紡ぐも、香我美は即時に見破り低い声で脅してきた。
「思いつきでも、そんな嘘は言うな」
「おっ、思いつきなんかじゃない! ともかく、昴さんの子ってことは……!」
「いいや。俺の子だ」
きっぱりとした口調に虚を突かれていると、彼はふと小さな笑いをこぼす。
「……咲和、否定しても無駄だ。俺はもう、なにもかもがわかっている」
喉から呻き声が漏れ、頭から血が引いていく。
(どこかで調べたの? どこで?)
順当に考えるなら地元の病院か役場だが、そもそも咲和は、故郷に関して具体的な地名を香我美に教えていない。
仮に手を尽くして調べたとして、どうして五年も会いに来なかったのか。
(口ぶりから、五年前、別れてすぐに子どもがいると気づいていたみたいだけど)
放置していて、今更来た理由がなにか。考え、青ざめる。
(あの写真の人と結婚して、でも、上手くいかなかったとか、子どもが生まれないとか……そういう理由だとしたら……昴さんは、北斗を奪うためにここに来た?)
妄想だ。考えすぎだ。わかるのに、止められない。
「いや、そんなのダメ……。連れて行かせない」
悪寒に震えだした身体を抱いて顔を歪める。奥歯が小刻みに鳴って、息も乱れた。
「落ち着け、咲和……ッ」
扉の外からでも異変に気づいたのだろう。香我美が声を詰まらせる。
「落ち着いてなんか、いられるわけないじゃない!」
悲鳴のような声で訴える。
冷静にならなければいけないのに、感情が限界を振り切っている。
勝手に嗚咽が飛び出し、泣きたくもないのに涙が出る。
「嫌、嫌、もう、嫌い。昴さんなんか、会いたくない。知らない」
つたない拒絶を述べて泣きじゃくる。二十七歳にもなって情けない。
自分の心に住む寂しがり屋で傷つきやすい幼女が、一人は嫌だとだだをこねている。
顔を覆ってしゃがみ込み、口を押さえても、こぼれる声が留まらない。
「帰って! もう来ないで! 側にいられない人と関わりたくない!」

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2020/9/25
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8月刊電子書籍【ガブリエラ文庫プラス】
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2/『完璧CEOの溺愛シンデレラ マジメで地味な秘書は恋愛対象外?!』玉紀直・イラスト/ゴゴちゃん

2020/8/25に発行しました、現代物TLレーベル・ガブリエラ文庫プラス2作品の各電子書籍ストアでの販売が9/25頃より順次スタートいたします。

ガブリエラ文庫プラスはKindle版・Renta!版・楽天Kobo版・Yahoo!ブックストア版等々にてご購入できます。この機会にぜひご愛読ください。


2020/8/30
電子書籍ガブリエラブックス
『元没落令嬢は公爵様の蜜愛にとろとろです!! 甘くてオトナなスイーツ生活』
熊野まゆ・イラスト/Fay
『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』
クレイン・イラスト/白崎小夜

2020/7/30に発行致しました、ガブリエラブックス2作品の各電子書籍ストアでの販売が8/30頃より順次スタート致します。

ガブリエラシリーズはKindle版・Renta!版・楽天Kobo版・Yahoo!ブックストア版等々にてご購入できます。この機会にぜひご愛読ください。


2020/7/25
電子書籍
ガブリエラ文庫プラス
2作品販売お知らせ


6月刊電子書籍【ガブリエラ文庫プラス】

1/『激甘CEOと子育てロマンスはじめました!』水島 忍・イラスト/氷堂れん
2/『契約離婚 花嫁は御曹司に甘く囚われる』麻生ミカリ・イラスト/天路ゆうつづ

2020/6/25に発行しました、現代物TLレーベル・ガブリエラ文庫プラス2作品の各電子書籍ストアでの販売が7/25頃より順次スタートいたします。

ガブリエラ文庫プラスはKindle版・Renta!版・楽天Kobo版・Yahoo!ブックストア版等々にてご購入できます。この機会にぜひご愛読ください。


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