元没落令嬢は公爵様の蜜愛にとろとろです!!
甘くてオトナなスイーツ生活
【本体1200円+税】

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●著:熊野まゆ
●イラスト:Fay
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-4027-2
●発売日:2020/07/30

憧れの年上公爵様が
私の手作り大人なスイーツで豹変!?

エミリアは小さな頃からアルバーン家のフランシスが大好き。しかし十歳差の彼らは兄妹扱いされなかなか進展しない。状況を打破すべくお菓子作りの得意なエミリアはアルバーン家に、パティシエとして乗り込むことに!?




「ああ、ありがとう。ちょうど喉が渇いていたんだ」
 フランシスはローテーブルの上にあった、シラバブが入ったグラスを手に持ち一気に飲み干す。
「あっ、お兄様!」
 それには酒が入っていると言う前に、グラスは空になってしまった。フランシスはローテーブルにグラスを置いたあと、しばらく俯いていた。
 ようすがおかしい。やけにぼうっとしている。
「……お兄様?」
 彼の隣に腰かけて呼びかけると、その両肩がピクッと震えた。しかしやはり返事はない。
(お医者様を呼んだほうがいいかしら!?)
 うろたえながら彼の顔を覗き込む。顔色が悪ければすぐにでも医者に助けを求めるべきだ。
 だがフランシスの顔色はいつもとそう変わりなかった。無言で首を垂れている、というだけだ。
「あの……」
 するとフランシスは右手で荒っぽく自身の前髪をかき上げた。
 整えられていた前髪が乱れて、無造作に跳ねる。
「エミリア――」
 ゆっくりと首を傾げ、エミリアをじいっと見つめる。
「……っ?」
 とたんに動けなくなってしまう。オイルランプの光に照らされた、波打つ湖面のような瞳が妖しく光っているような錯覚に陥る。金糸さながらの髪は、乱れているせいであちらこちらに光を反射していて眩い。
 大きな手のひらが頬と顎のあたりに添えられ、鎖骨やネグリジェの肩、腕や脇腹を撫で下ろす。
「え、ぁ……っ?」
 エミリアはくすぐったくなって身を捩った。
「こんなに無防備な恰好で……自分の寝室に男が入るのを許してはいけない」
 発せられた低い声にどんな感情が込められているのか、エミリアにはわからなかった。
「だれもが誘惑される。理性を保っていられなくなる――」
 腰を抱かれ、後頭部を掴まれ抱き寄せられる。
「かわいいエミリア」
 その言葉のあとすぐ、目の前が真っ暗になった。エミリアは目を開けたままフランシスと唇を合わせる。一瞬のことだった。彼の唇はすぐに離れる。
「小さくて、愛らしい唇」
 フランシスは眉根を寄せて、苦しげな顔になる。
「……貪り尽くしたくなる」
 噛みつくように、柔らかな唇が覆いかぶさってくる。レモンとブランデーがほのかに香る。
(キス、している……お兄様と……!)
 なぜ急にこんなことになったのだろうと疑問はあるものの、それよりもいまは唇を食まれるのが嬉しくてたまらなかった。
 くちづけはそれだけには留まらない。ほんの少しだが息苦しくなって唇を開くと、そこから彼の舌が入り込んできた。
「んっ……!?」
 すぐに絡め取られて、舌の根元や裏側、そして先端をねっとりと舐め上げられる。そんなふうにされて恥ずかしいはずなのに、レモンの爽やかな味と香りが口いっぱいに広がったからか抵抗感が薄れ、心地よさに支配される。
 それは、彼の両腕が胸元にあてがわれてもなお続いた。ネグリジェの上から乳房を持ち上げられれば自然と両肩がビクッと弾む。しかし、不快なわけではない。
「ぅ、んぅっ……」
 円を描くように胸を揉みまわされると、体が浮かび上がるようなおかしな感覚に見舞われた。なにもかもがふわふわとして、気持ちがよい。
 不意に唇が離れる。フランシスはエミリアの首筋にくちづけたあと、胸元に顔を寄せた。真っ白なネグリジェ越しに、ふたつの膨らみを鷲掴みにする。
「ぁっ……!」
 そうして手のひらで掴まれると、彼の手が大きいことをまざまざと実感する。フランシスは両手で捕らえたエミリアの胸を間近で見つめる。
「……きみのここも、すごくかわいい」
 膨らみの、尖りになっている箇所をふたつとも指でツンッと突かれる。
「ん、ぁっ」
 エミリアが全身をビクリと弾ませても、フランシスは動じない。
「ほら……いじらしく勃ってる」
 普段の、品行方正な彼からは想像もつかない発言である。ネグリジェの胸元を見ればたしかに、フランシスの言うとおり胸のいただきがぷっくりと浮き上がっていた。もともと朱を帯びていたエミリアの顔が、熟れたリンゴのようになる。
 その際立っている箇所を、フランシスは人差し指の先でトン、トン、トンッと何度も押した。
「あ、ぁっ、あぁ……っ」
 そこをノックされるたびに下半身がトクン、トクンと脈づく。なぜそんなふうに疼くのか、閨事の知識を少しも持たないエミリアにはわからない。
 色好い反応をするエミリアの顔を見上げながら、フランシスはふたつの尖りをそれぞれ二本の指でつまみ上げた。指の腹を使って右へ左へと捻りまわす。
「ひぁ、あっ……。ゃ、あぅっ……!」

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