御曹司パパは子育てはじめました!
ママと息子を幸せにする方法
【本体685円+税】

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●著:七福さゆり
●イラスト:ゆえこ
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-2055-7
●発売日:2020/8/25

僕はキミの夫に、あの子の父親になりたいんだ


息子の大河と母子で暮らす明日奈の許にかつての交際相手で大企業の御曹司、藤宮奏多が訪ねてきた。奏多は子どもは欲しくないと言っていて彼の子の大河を身籠もった明日奈は彼から離れるしかなかったのだ。奏多は事故でしばらく記憶を失っていて、記憶が戻りすぐにここに来たという。「ずっとこうしたかった。ああすごく綺麗だ」情熱的に求婚する奏多。以前の言葉は嘘のように大河を可愛がる彼を信じていいのかと迷う明日奈だが!?




「僕は明日奈の夫になりたい。そしてあの子の父親になりたいんだ。血が繋がっていなくても関係ない」
 子供が嫌いなのに、血の繋がりがない子の父親になりたいなんて言ってくれると思わなかった。
 ううん、血の繋がりがないなんてきっと信じてない。
 奏多は責任感が強い人だ。だから自分の気持ちを押し殺して、そう言ってくれているのかもしれない。
「……あの子は、奏多の子供じゃない」
「計算したら、付き合ってる時の子供だよ。多分、クリスマスの時の……」
 気付かれた。
 誤魔化さなくちゃ……どうしよう。なんて言えばいい? なんて言えば誤魔化せる?
「ち、違う……」
「違わない」
 頭が真っ白になる。
「……っ…ほ、本当に、違うの! あの時、別の人とも同時に付き合ってたの! だから、この指輪は受け取れない」
 これ以上一緒に居たら、ボロが出てしまう。正直まだ一緒に居たいし、名残惜しいけれど、このまま帰ろう。
 カバンを持って立ち上がると、手を掴まれてベッドに押し倒された。
「あっ……か、奏多……!」
「キミはそんなことする女じゃないだろ?」
「違……わ、私は……」
「声が震えてるよ」
「そんなこと……っ……ン……」
 唇を重ねられ、深く求められた。
 私の大好きな奏多のキス――ずっとこうしてもらいたかった。
「……っ……ん……ぅ……んんっ……」
 とろけちゃいそう……。
 あまりにも気持ちよくて、そのまま身を委ねてしまいたくなる。首元のボタンを外され、長い指がネックレスに触れる。
「んっ!」
 奏多から貰ったネックレス――。
 お守り代わりにしていて、どんな時でも外したくない。
 今日も外したくないけど見られたら気まずいから、首まで隠れる服を着て誤魔化していたのに、バレてしまった。
 指先で触れられるたびに、「まだ、僕のことが好きだよね?」と尋ねられているみたいで、顔が熱くなる。
「や……やめて……っ……私のことが好きなんて、嘘なんでしょう?」
「本当だよ」
「もし、そうなら、どうして今なの? 本当に私のことが好きなら、三年も放っておかないはずでしょ……っ?」
 そう、三年が経った。だからこそもう、奏多は私を忘れて別の人生を歩んでいると思っていたのに……。
「ごめん。本当ならすぐに居場所を捜して、明日奈のところに来たかった」
「でも、来なかったってことは……ほ、他の人と付き合ってたんじゃないの?」
 自分で言っておきながら、泣きそうになる。
 私の居場所なんて、奏多の力を使えばすぐにわかるはずだ。三年かかるなんてありえない。ということは、三年間捜そうとしなかったということ。
「それはない」
「じゃあ、どうして……」
「ごめん。記憶が戻ったのが、つい最近だったんだ」
「記憶? どういうこと?」
「実は明日奈からメッセージを貰ってすぐ、事故に遭って……」
「……事故?」
「うん、会社の車だったんだけど、対向車を走っていた運転手が急に心筋梗塞を起こして、意識を失ってうちの車に突っ込んできたんだ」
「……っ」
「結構ニュースになったよ。当時は兄も生きてたから、こんなことで有名になるなってかなり嫌味を言われた」
「わ、私、知らなくて……」
 藤宮自動車の話題を見たら、奏多を思い出して辛くなるので、地元のニュース以外チェックしないようにしていたから知らなかった。
「嘘だと思うなら、今でもネットで当時のニュースが出てくると思うから見てみて」
「疑ってなんてないよ……! 怪我は大丈夫だったの!?」
「あちこち骨折して、その影響で熱を出したのが辛かったかな。でも、それぐらいで命に別状はなかったんだけど、頭を強く打つ前の一年ぐらいの記憶を思い出せなくなったんだ」
「そんな……」
「仕事のことは資料を見たり、秘書から聞いたりすれば問題なかったんだけど、問題は明日奈のこと」
「私?」
「うん、周りに彼女がいるって言っておけばよかったんだけど教えてなかったんだ。僕、あまり他人を信用できなくて、自分のことを話すのってあんまり好きじゃないから。でも失敗したよ。教えておいて話題に出してもらえたら、もっと早くに思い出せたかもしれないのに……」
「でも、どうして思い出せたの?」
「つい最近、明日奈と出会ったカフェに行って思い出したんだ」
「あのカフェに……」
「うん、たまたま通りかかって雰囲気がよさそうだから入ってみたら、来たことがあるような気がして、おかしいなぁと思ってたら、隣の席に座った人がたまたま水をこぼして、それがキッカケで……」
 まさか、三年間も記憶を失っていたなんて……。
 何も知らずに生きてきた自分が、とても愚かに感じる。
 すごい事故だったんだ。一歩間違えば死んでいたかもしれない。
 生きていてよかった……。
 身体が震えて、涙がボロボロ零れた。
「明日奈……」
「よかった……奏多、生きていてくれて本当によかった……よかっ……本当によかった……うぅっ……よかったよぉ……」
 ああ、涙がとまらない。
 嗚咽を上げて泣くなんて、子供の時以来だ。奏多は私を抱きしめて、優しく頭を撫でてくれた。
「明日奈、泣かないで……」
 奏多は嗚咽を上げる私の唇を優しいキスで塞ぐ。
「んっ……んぅ……んっ……んんっ……」
 お腹の奥が熱い。
 恥ずかしい場所が、トロトロの蜜で溢れていくのを感じる。
 駄目――これ以上は、もう……。
「心配してくれてありがとう。嬉しい」
「奏多……もう、これ以上は……あっ……」
 ボタンを外され、覗いた肌に唇を押し当てられた。
「……っ……ン……ぁっ……」
「可愛い声……ずっと聞きたかったよ……」
「や……だめ……」

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