侯爵様の溺愛マリアージュ
崖っぷち若奥様の新婚事情
【本体685円+税】

amazonで購入

●著:水島忍
●イラスト:天路ゆうつづ
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-2039-7
●発売日:2019/09/25

私がすべて君に教えるから

挙式直前で婚約者に逃げられたルシア。彼女は妹達の将来のために、怪しい後見人から早く手を切ろうと結婚を急いでいた。そこで婚約者の兄、クロフォード侯爵アシュトンに、慰謝料代わりに結婚相手を紹介してくれと直談判に行く。だが、彼に自分と結婚すればいいと決められてしまい…。「君は私の愛撫に感じているんだよ」大人な彼に優しく導かれ陶酔を覚えた夜。アシュトンを愛するようになり、利害での結婚を寂しく思い始め!?




「ルシア、君は私と結婚すればいい」
「こ、侯爵様と?」
「私のことはアシュトンと呼ぶように言ったはずだ」
「ア……アシュトン……。わたし、そこまで責任を取ってほしいわけではありません。ただ、条件に見合う男性を紹介してもらいたいだけなんです」
彼は判っているというふうに頷いた。
「条件に見合う男は、私自身だ。私が一番適役だと思う。君のお父さんの遺産を守り、妹さん達の面倒を見て、家庭を大事にする。年寄りでもないしな。実際のところ、私の友人には条件に合う男がいない。ひどい男ばかりだ」
「でも……わたしとなんか……」
彼は侯爵で、そんなに年を取ってもいないし、容姿も素晴らしいのだから、どんな相手とも結婚できるはずだ。何も弟の婚約者だった自分と結婚する必要はないのだ。
「いや、私は君がいい。君は結婚したら、子供や家庭を大事にするだろう。それに、そろそろ私にも跡継ぎが必要だ。だから、この結婚は私にとっても都合がいいんだ」
都合のいい結婚……。
なんだか味気ないと思ってしまうのは何故なのだろう。ロバートとはそんな結婚で構わないと考えていたのに。
「それとも、私では不足かな?」
「とんでもない! わたしにはもったいないようなお話で、驚いているだけです」
そうよ。相手を選ぶ余裕はない。それに、彼なら遺産を上手く管理してくれるだろう。これほど責任感があるのだから、妹達のことだって、ちゃんと面倒を見てくれるに違いない。
それに、自分が侯爵夫人になれば、妹達の結婚にも有利に働くはずだ。
ただ、彼がルシアに跡継ぎを産ませるためだけに結婚するつもりなのが、少し引っ掛かりを覚えてしまう。
ううん。今すぐこのプロポーズを受けるべきよ! 考えている場合じゃないわ!
「……判りました。わたし……あなたと結婚します」
ルシアがそう返事をすると、彼はにっこりと笑った。
笑うと、すごく優しく見えてきて……。
ルシアは束の間、夢見心地になった。
彼はルシアの手を取ったまま立たせた。
「お祝いをしなくてはならないな」
「そんな……お祝いなんて……」
彼はルシアの腰をさり気なく引き寄せた。すると、身体だけでなく、当然、顔も近づく。
こんなに近くで彼の顔を見たのは初めてで、ドキドキしてくる。
鋭い瞳が、今は穏やかになっていて、自分をじっと見つめていた。
「ルシア……わたしの婚約者……」
彼が顔を傾けた。ルシアも思わず目を閉じる。
唇が触れ合う感触に、何故だか大きな衝撃を受けた。ロバートとも軽いキスなら何度かしたが、こんな衝撃を感じたことはなかった。
まるで、身体中が急に目覚めたみたいだった。
続けて、彼がもっと唇を押しつけてきて、ルシアの唇を舌でつついた。そして、唇の中へと舌が潜り込んできて……。
こんなキスは初めて。
ルシアは息が止まりそうだった。
口の中を彼の舌が動いている。ルシアの舌を捉え、絡みついてきた。舌と舌が絡まると、ひどく淫らなことをしているような気がしてくる。
何故だか胸の頂が甘く疼いてきた。それだけじゃなく、身体の奥のほうにも何かざわめきを感じる。
気のせい……なの?
ルシアがぼんやりと考えていると、唇が離れた。
改めて彼からじっと見つめられていることに気がつき、現実へと戻る。キスだけで、夢見心地になっていたなんて恥ずかしい。
ルシアはぱっと顔を赤らめた。
アシュトンはそんなルシアの反応を見て、声を上げて笑った。
「これで婚約成立だ」
「でも……叔父がなんと言うか……。たぶん邪魔してくると思うんです」
それだけが不安だった。ロバートが逃げたのも恐らくそのせいだ。
「私に任せておけばいい」

☆この続きは製品版でお楽しみください☆


amazonで購入

comicoコミカライズ
ガブリエラ文庫アルファ
ガブリエラブックス4周年
ガブリエラ文庫プラス4周年
【ガブリエラ文庫】読者アンケート
書店様へ
シャルルコミックスLink
スカイハイ文庫Link
ラブキッシュLink