完全無敵の愉悦王は××不全!? この病、薬師令嬢にしか治せません!【本体1300円+税】

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●著:すずね凜
●イラスト: なおやみか
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4815543532
●発売日:2024/11/29


俺の欲望はお前のせいでこんなに昂ぶっている


 伯爵令嬢で薬師のナターリエは�猝�悦王�瓩噺討个譴覺萎�な国王ギルベルトに頭痛の治療を命じられた。幼い頃、彼に会った事があり、密かに慕っていた彼女は懸命に薬を作り頭痛は見事に回復。すると喜んだギルベルトはナターリエを自分専用の薬師に抜擢したばかりか、王城に住まわせ四六時中側にいるよう命じた。
 戸惑いつつも王命を受け入れ薬師として励むナターリエだが、ある晩王の寝室に呼ばれ、重大な悩みを打ち明けられる。
「実は私には大きな身体の悩みがある」……「勃たぬ」
 王直属の薬師であるナターリエは勃起不全まで治療することになり……!?





序章
グーテンベルク王国は大陸一の大国である。温暖な気候に恵まれ広大で肥沃な領地、優れた文化と経済力を有し、歴代の国王の統治も安定し、民たちは平和に暮らしていた。

話は前国王の時代に遡る。
その日、首都の王城の大ホールにおいて、国王の即位二十周年記念の祝典が粛々と執り行われていた。
もうすぐ七歳になるナターリエは、父ハイネマン伯爵と共に、祝典に出席していた。
ナターリエにとって、生まれて初めて足を踏み入れる王城であった。
ナターリエは、艶やかな赤毛の髪とぱっちりとした菫色の瞳、色白の整った面立ちに、鼻の上に薄くそばかすが散っていて、この上なく愛らしい美少女である。 
彼女は父の隣の席で、興奮で顔を上気させてかしこまって座っていた。彼らの席は、国王付きの薬師たちの並ぶ場所にあった。
ハイネマン伯爵家は、代々王家に仕える薬師の家系であり、父も王家付きの薬師を拝命している。
しかし現在のハイネマン伯爵家は、なぜか女の子ばかり六人も生まれ男子は一人もいなかった。そのため父は、末っ子のナターリエを薬師として育て、ハイネマン伯爵家の後継にしようと考えた。ナターリエは賢く努力家な娘で、父の期待に応えようと毎日勉学に励んでいる。
今回の祝典には、特別に父の付き添いとして出席が許されたのだ。
大ホールでは、荘厳な音楽が奏でられる中、国王陛下が神官より祝福の祝詞を受ける式が始まった。出席者は全員起立して恭しくこうべを垂れた。ナターリエもそれにならい起立しながら、ちらちらと周囲の薬師たちの姿を盗み見る。
王家付きの薬師たちには、特別に王家の紋章の入った濃いグリーンの礼装が与えられる。父もずらりと並んでいる薬師たちも、皆揃いの濃いグリーンの礼装を誇らしく身に纏っていた。
(ああ、なんて立派なんでしょう。私もいつか、あの礼装を国王陛下から授けていただくのだわ)
ナターリエは未来の自分の晴れ姿を頭に描き、うっとりとするのだった。
祝典は無事終了し、出席者は特別に国王陛下の昼餐会に招かれることになっていた。
まだ幼いナターリエは出席を許されず、控え室で待機することになった。
広々とした控え室のテーブルの上には、さまざまな茶菓が用意されてあった。
ナターリエはお茶とお菓子をいただきながら、一人で父が戻るのを待っていた。初めは物珍しく、控え室の豪華な調度品などを鑑賞して回っていたが、そのうち退屈してきた。
飾り窓からは、王城の裏庭が見渡せる。庭は手入れが行き届き、剪定された樹木、色とりどりの観葉植物や花が咲き乱れている。
「わあ、なんてたくさんの植物。見たこともないお花もいっぱいだわ。もしかしたら、薬草に使えるものもあるかもしれないわね」
ナターリエは興味津々で庭を見回していた。
と、植え込みの向こうの小さな噴水の側に、誰かがうずくまっているのが見えた。青い礼装姿だ。
まだ少年らしい。頭を抱えている。
「どうしたのかしら……」
ナターリエはしばらく少年の様子を窺っていたが、彼がぴくりとも動かないので次第に心配になってきた。
勝手に出歩いてはいけないと父には言われていたが、気がかりでならない。
裏庭に出るベランダの窓を開け、庭に降りた。
足音を忍ばせて、噴水の方へ近づいていく。こちらに背中を向けている少年にむかって、そっと声をかけた。
「あの……どうしたの?」
少年の背中がぴくりとし、頭を抱えていた両手がゆっくりと下ろされる。少年が肩越しに振り向いた。
「あ――」
ナターリエは思わず声が出た。
歳の頃は十三、四だろうか。艶やかな金髪にサファイアのような青い目、ぞくりとするほど整った面立ちだ。青年期に差し掛かる前の中性的な美貌に、目が眩みそうだった。
だが顔色は青ざめ、苦痛に耐えるような表情をしている。
少年はじっとナターリエを見つめ、小声で答えた。
「頭が割れるように痛いんだ」
変声期前の澄んだアルト声だ。だが口調はひどく不機嫌そう。
「まあ、頭が?」
普段なら、薬や薬草を入れたバッグを携帯しているのだが、今日はお祝いの席なので屋敷に置いてきてしまっていた。
でも、薬師の卵として、なんとかしてあげたい。
ナターリエは少年の前に回ると、しゃがみ込んで彼の顔を覗き込んだ。
「熱はないかしら?」
顔を寄せて、少年の白皙の額に自分の額をこつんと押し当てた。
「なっ、何をするっ、無礼者っ」
少年が驚いたように身を引いた。青ざめた顔に血の気が上る。
「ご、ごめんなさい、熱を測ろうとしただけなの。額に触っていい?」
真剣な顔で言うと、少年はしばし無言でいたが、やがてこくんとうなずいた。
ナターリエは右手を伸ばして、少年の額に触れた。さっきより熱くなっているような気がした。
「少し熱があるかしら。立てる? そこの噴水の側に腰掛けるといいわ。涼しいから」
少年の背中に手を回して介助しようとすると、彼がじゃけんに手を払った。
「一人で立てる」
彼がすくっと立ち上がった。立つと、とても上背があることがわかった。錦糸の縫い取りのある上等な絹の上着を着ていて、身分の高い子息に違いない。
少年が噴水の縁に腰を下ろす。彼は両手でくしゃっと髪を掻き回した。
「くそっ、痛くてたまらない」
彼の苦しそうな様子に、ナターリエは治してあげたいと強く思った。
「お庭に、なにか効く薬草があるかもしれないわ。こんなにたくさん植物があるのですもの」
ナターリエは立ち上がると、庭を見回した。
向こうの池に睡蓮の花が咲いているのが見えた。
「待っていて」
ナターリエは少年にそう言い置くと、急いで池に向かった。
広い池の真ん中に、白い睡蓮がいくつか花開いている。
「よいしょ」
ナターリエは池の端に膝をついて、手を伸ばした。しかし小柄なナターリエでは、届かない。少しだけためらったのち、誰もいないのを確認してから靴を脱ぎスカートの裾を腰の帯に挟み、ばしゃばしゃと池の中に入っていった。
いくつか睡蓮の花を摘み取った。それを抱え、急いで少年の元まで戻った。
息を切らしながら、少年に睡蓮の花を差し出した。
「さあ、このお花の香りを胸いっぱいに吸ってみて」
少年はずぶ濡れの姿に驚いたようだ。
「君、びしょ濡れで――」
「いいから、早く」
「花の香りを嗅ぐだけなのか?」
ナターリエは深くうなずく。
「だまされたと思って」
少年は疑り深そうな顔で睡蓮の花を受け取り、そこに顔を寄せる。
「――いい香りだ」
「しばらくそのまま深く嗅いでいてちょうだい」
少年はじっと睡蓮の花に顔を埋めていた。しばらくすると、彼が顔を上げた。
表情が見違えるように明るい。
「治った――ウソみたいに痛みが消えた」
ナターリエはほっと息を吐いた。
「ああよかったわ! ほんとうは、煎じてお砂糖を加えて飲む方が効果があるのだけれど、とても香りが強いから、効くかもしれないと思ったの」
ニコニコしながら言うと、少年が不思議そうにたずねた。
「君は、誰だ? 魔法のようだった。この庭の妖精かなにかか?」
ナターリエは顔を赤らめた。
「私は、薬師の娘なの。将来、薬師になるために、お父様からいろいろ学んでいるところよ」
少年が目を丸くする。
「女の子の薬師なのかい?」
それから彼は気がついたように、自分の上着を脱ぐとナターリエに近寄って屈み込んだ。
「僕のために、素敵なドレスがびしょ濡れだ」
彼は自分の上着でナターリエの濡れたドレスを丁寧に拭ってくれた。
「あ、そんなこと――上着が濡れて……」
「かまわない。さあ、これで少しはましかな」
少年は立ち上がると、手を差し出した。
「そこにお座りよ」
「はい」
ナターリエは少年がレディ扱いしてくれたのがこそばゆくも嬉しく、彼の手を借りて噴水の端に腰を下ろす。少年は、少し離れたところに座った。
少年は睡蓮の花を手に取り、何度も花の香りを嗅いだ。
「ありがとう。さっきはじゃけんな態度を取って悪かった」
「ううん、いいの。頭が痛いとイライラしてしまうから」
「君は、今日の陛下の祝典に招かれたのかい?」
「はい。お父様が王家付きの薬師で、私はお供したのよ」
「そうだったのか」
「素晴らしく豪華で晴れやかな祝典だったわ。王家付きの薬師たちが、濃いグリーンの礼装姿でずらりと並ばれて、とっても格好良かったの。私ね、いつかお父様の後を継いで立派な薬師になって、国王家の紋章が入った濃いグリーン色の礼服を着るのが目標なのよ」
少年が微笑を浮かべる。
「素敵な目標だね」
「そうよ、そのために、毎日一生懸命お勉強してるの。お父様に付いて回って、領地にある薬草のことなら全部知っているわ」
「それはすごい」
少年は熱心に聞き入ってくれる。それが嬉しくて、ナターリエはついつい話に熱が入ってしまった。
「でも、この国にない薬草もいっぱいあるの。だから、いつか世界中の国を回って、ありとあらゆる薬草や薬鉱石を手に入れるの。そしてどんな病気や怪我でも治してしまうの。それが私の夢よ」
少年は目を輝かせて夢を語るナターリエの横顔を、眩しそうに見つめていた。
「君の夢が、かなうといいね」
少年が笑顔でそう言うと、ナターリエの心臓がにわかにばくばくいい始めた。
(いやだ、心臓発作の前触れでなければいいんだけど……。しずまれ、心臓)
少年が美麗な顔を寄せて、アルト声でささやく。
「君は、えらいね。まだ小さいのに、自分の将来をそんなにも真剣に考えているなんて――僕なんか自分の未来なんか少しも――」
「王太子殿下、ここにおられたのですか?」
ふいに、背後から声をかけられた。
王家の従者の印である紺色の制服を着ている黒髪の若い男が、慌てた様子で茂みから姿を現した。従者は少年と並んで座っているナターリエを見ると、声を荒らげた。
「娘、失礼であろう! そのお方は恐れ多くも、第二王太子殿ギルベルト様であられるぞ!」
ナターリエはびっくりして、慌てて地面に平伏した。まさか王太子殿下だったとは――。
「も、申し訳ありませんっ」
「無礼はお前だ、ハンス。彼女は立派な淑女だぞ!」
ギルベルトは鋭い口調で侍従を叱った。ハンスと呼ばれた侍従は、びくりとして後ろに下がった。
ギルベルトは素早く立ち上がるとナターリエの前に跪き、その右手を取った。
「君のおかげで気分がとても良くなったよ、感謝する」
ギルベルトはナターリエの手の甲に恭しく口づけした。柔らかな唇の感触に、ナターリエの心臓が今にも破裂しそうに昂った。頭に血が急激に上りクラクラする。
ギルベルトはすらりと立ち上がると、侍従に声をかけた。
「では行こう――ご令嬢、失礼する」
ギルベルトは濡れた上着を手に取ると、そのまま踵を返した。
「……」
足音が遠ざかる。
ナターリエはしばらく顔を上げることができなかった。
顔の火照りがおさまるのを待って、ゆっくりと立ち上がった。すでにギルベルトの姿はない。
「ギルベルト様……」
口の中で彼の名前をつぶやくと、再び脈動が速まってきた。

その後、ナターリエはますます薬師になるための勉学に励むようになった。
絶対に王家付きの薬師になる、と決意を新たにしていた。
もちろん、それはこれまでの目標でもあったのだが、今は少しだけ違う。
王家付きの薬師になれば、何かの機会に第二王子ギルベルトに御目通りする機会があるに違いない。想像するだけで、心臓が高鳴ってしまう。
ナターリエのほのかな初恋の種が、小さな胸の中で根を下ろし、少しずつ育っていったのである。
第一章 愉悦王は頭が痛い
その日は、ハイネマン伯爵家の四女マリエッティの結婚式であった。
ハイネマン伯爵家の六人の娘のうち、すでに長女、次女、三女は良い縁に恵まれて嫁いでいた。
今回、四女のマリエッティも社交界で度々催される婚活舞踏会で出会った伯爵家の青年と、晴れて婚姻することとなったのだ。
ナターリエは十二歳になっていた。

「ナターリエ、そろそろ支度しないと結婚式に間に合いませんよ」
母が部屋の外から声をかけてくる。
「はい、お母様、今行きます」
机に向かって、新しい胃腸薬の配合に夢中になっていたナターリエは、慌てて返事をした。薬草や薬鉱石で汚れたエプロンを外し、急いで部屋を出た。
母が顔をしかめる。
「まあなんなの、そのボサボサの髪。それに、手が汚いじゃないの、ちゃんと洗ったの?」
ナターリエは自分の両手をまじまじと見た。指先が赤や緑色に染まっている。薬の調合をしているうちに、いつしか色が染みてしまったのだ。
「お母様、これは薬師にとっては勲章のようなもので――」
「はいはい、わかったから、早く化粧室に行って侍女たちに着替えさせてもらってちょうだい」
母に追い立てられて、急いで化粧室に向かう。廊下で、すでに身支度の終わったすぐ上の姉エルドリッテとすれ違う。彼女はフリルのたくさんついた豪華なベビーピンク色のドレスに身を包み、豊かな金髪をきれいに巻き髪に整え、お姫様のように美しかった。
「あらナターリエ、まだ支度していなかったの? 今日は旦那様の親戚やお知り合いもたくさん招待されているから、きっと素敵な殿方もいらっしゃるわ。気合いをいれなきゃね。どう? このドレス?」
エルドリッテがその場で優雅にくるりと回って見せた。ふわりと鈴蘭の香水の香りがした。
「素敵だわ、お姉様」
ナターリエは姉を褒めながら、内心、
(鈴蘭は利尿剤として有効だけど、毒性が強くて多量摂取すると心肺停止を引き起こすのよね)
などと、エルドリッテが聞いたら目を剥きそうなことを考えていた。
化粧室で侍女たちから、着慣れないきついコルセットや動きづらいフリルやリボンで飾られたドレスに着替えさせられながら、ナターリエは今考えている新しい胃腸薬の配合について頭をめぐらせていた。
(セロリとフェンネルの実をすり潰したものに、ペパーミントの葉を加えて煎じたらどうかしら。飲みやすくなるかもしれないわ……)
姉たちが伯爵令嬢らしく、着飾ったりオペラ鑑賞に行ったり舞踏会で殿方とダンスを楽しんだりしている間、ナターリエはずっと部屋に籠もって医学書を読み漁り、薬の調合をしたりすることに明け暮れていた。外出するのは、郊外に薬草を摘みに行く時だけだ。
姉たちが末っ子の妹を哀れみの目で見ていることは知っていたが、ナターリエはぜんぜん平気だった。自分の知識が増え技量が上がるのが、楽しくて嬉しくてならない。
十八歳になって国の試験に合格すれば、薬師の免許を取ることができる。そうしたら、王家付きの薬師の考査を受ける資格が与えられるのだ。それに受かれば、ハイネマン女伯爵の称号を父から授けてもらえるに違いない。そして、国王陛下から憧れの濃いグリーンの礼服を授けていただける。
未来の自分を想像するだけで、胸が躍った。
姉のマリエッティの結婚式は、盛大で晴れやかなものだった。ナターリエは心から姉の幸せを祈りながらも、結婚なんて自分には関係ないものだと思っていた。一生を医学に捧げると決めていたのだ。
披露宴の会食の席でのことだ。
ナターリエは食事をしながら、膝の上にこっそりと医学書を広げて盗み読みしていた。
ふと、周囲の紳士たちの会話から、
「ギルベルト王太子殿下が――」
という声が聞き漏れてきた。
ナターリエはハッとして医学書から顔を上げた。 
紳士たちは少しお酒が入っていて、口が軽くなっている。
「実は、政府筋の者から聞いたのだが、次期国王陛下にはどうやらギルベルト第二王太子殿下が即位なさるようだ」
事情通らしい口髭の紳士が秘密めかして言う。先だって、国王陛下は長い病の末に崩御されたのだ。まだ次期国王については公にされていなかった。
「そうなのか。まあこう言ってはなんだが、アーラン第一王太子殿下は凡庸で気の弱いお方だからな。王としての器量は文武両道のギルベルト殿下の方が数段上なのは、周知の事実だし」
「うむ、国王陛下がそう遺言なされたそうだ。次期国王はギルベルト殿下に、と」
「それは英断だ。これでグーテンベルク王国は安泰だな」
耳をそば立てていたナターリエは、心臓がドキドキしてくる。
(ギルベルト様が国王陛下に――? そんなことになったら……!)
いずれ王家付きの薬師になった時、憧れの濃いグリーンの礼装を授けてくれるのはギルベルトなのだ。ずっと憧れてきた人の元で、薬師として仕えることができる。
(ああ、夢みたい! 最高の望みが叶うんだわ!)
ナターリエの胸は熱い感情ではち切れそうになった。
その翌日。
次期国王には第二王太子ギルベルトが即位することが公に発表されたのである。
当時ギルベルトは弱冠二十歳であったが、即位するや否や、彼はその才を存分に発揮した。
ギルベルトはすぐれた叡智と統率力の持ち主で、グーテンベルグ王国はかつてない繁栄を極めたのである。
国王の艶やかな美貌も相まって、民たちはギルベルトを、この世のあらゆる財を手に入れ全ての快楽を知り尽くした『愉悦王』と讃えた。
そしてナターリエは、王家付きの薬師になるべく日々研鑽し、努力を怠らなかった。

それは、ナターリエが来年には十八歳を迎えるという頃であった。
いつものように、自分の部屋で研究と勉強に打ち込んでいたナターリエを、両親が改まった話があると居間に呼び出した。





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