●著:玉紀 直
●イラスト:なま
●発売元:三交社
●発行元:メディアソフト
●ISBN:978-4-8155-2060-1
●発売日:2020/12/25
ずっと、一生 俺の腕の中にいろ。
OLの一色みことはお嬢様な友人にお見合いの付き添いを頼まれるも、当日にその友人が突発的な事故で来られなくなり、不動産王と呼ばれる見合い相手の千石稜牙に友人と勘違いされ抱かれてしまう。「いい感じだ。こんなに感じていたならつらかっただろう」コワモテだが極上の美貌の彼に思いがけず優しく愛され、蕩かされてしまうみこと。誤解がばれて怯えるみことを千石は何故か気に入り、おまえでいいと、その後も溺愛してきて!?
「ずいぶんと感度がいいな。真っ赤になったのもヨかったが、これはこれで楽しみだ」
「あの……わたし……!」
このままじゃ駄目だ。本当にこのままじゃ、人違いをされた状態でみことはこの男に抱かれてしまう。
説明しなくてはならないと思うのに、稜牙の腕の強さと、そこにいるだけで押し潰されそうになる存在感が言葉を阻む。
みことの全神経が畏怖し、反抗に値する態度がとれない。
「あっ……!」
稜牙の両手が腹部をまさぐり、ブラジャーの上から胸のふくらみを包みこむ。大きくゆっくりと揉み動かされ、同じくらいゆっくりとムズムズしたものが走るみことの身体は、じれったそうに揺れ動いた。
「着やせするのか……思ったより大きいな。ブラジャーでごまかしているだけか、見せてみろ」
「え……? やっ……!」
押さえるまでもなくブラジャーを取られる。いささか乱暴に取られたせいか、柔らかなふくらみがたうんっと揺れた。
それを腕で隠そうとする前に、稜牙の両手で覆われる。
「どうやら、ごまかしではないようだ」
「やっぁ……」
柔らかなふくらみが、形を変えてしまいそうなほど揉みしだかれる。刺激に慣れていない柔肌はこねられるごとに痛みが走り、みことは稜牙の両手を押さえて身をよじった。
「や、め……やめてくださっ……あっ……」
「どうした、こんなもんじゃ足りないか」
「ちがっ……ンッっ!」
稜牙の片手が両脚のあいだにねじ込まれる。無防備なあわいを捉え、指先でストッキングを撫でた。
「やっ……!」
思わず内腿を閉めるが逆効果だ。挟まれた指が脚の付け根で強く動く。
「やだっ……やっ、ぁ……あっ……」
稜牙の手を離そうと両脚を開くものの、指の動きは激しくなり、かえって動きやすくしてしまっただけ。
胸のふくらみを掴む手は、揉みこみながら親指と人差し指で頂を挟み、左右から圧すように刺激を与えてきた。
「や……やめ……てっ、ぁっ……」
「どうした。もう力が入らないのか」
手を離してほしくて彼の手を掴んでいたはずなのに、その両手に力が入らない。
生まれて初めてもたらされる性的な刺激。体内で発生するこの感覚に全身のバランスがおかしくなっていく。手足に力が回らず、胸や腰の奥だけが妙に熱い。
「ぁっ……ふ、ぅっ……ン……」
息を吐こうとするたびに一緒に漏れる、切羽詰まったような吐息の途切れはなんだろう。呼吸はしているはずなのに、胸が苦しくて、熱い……。
「こっちを向け」
耳元で囁かれる命令に抗うことができない。それでもみことは顔をかたむけ、ささやかな抵抗を試みる。
「や……めて、くださ……ぁ……」
途切れる呼吸と一緒に出る声は、抵抗と呼ぶには弱すぎる。冷や汗がにじんでいたはずのひたいが、今は熱い。
あまりのことに困惑して、頭がショート寸前なのではないかと思うくらいだ。
相変わらずみことを射すくめる双眸が、わずかに見開かれたような気がする。なにかおかしな顔をしていただろうか。それとも、よっぽど憐れに見えているのだろうか。
「……ますます……、やめる気がなくなった……」
稜牙の唇が重なってきて、みことは思わずキュッとまぶたを閉じる。
唇をつけては離し、離してはつけ、ときおり吸いついていく。吸いつかれたときには唇が開いてしまいそうな気がして、意識して下唇を噛んだ。
それでも胸のふくらみをもてあそばれ、刺激を与えられたことのない場所を指で擦られ、鼓動が高鳴るあまり息が苦しい。
耐えられなくなって口が半開きになったところに厚ぼったいものが押しこまれ、口腔内を蹂躙される。
「ンッ……あっ、ふ、ぅ……」
口を半開きにしてなにもできず、稜牙のなすがまま彼の舌を受け入れるしかない。
他人の舌が自分の口に入ってくるなんて信じられない行為なのに、そのことに不快感もなにもない自分が不思議すぎる。
なにもないわけではないのだ。そんな感情を意識するだけの心の余裕が持てないだけ。
焦りと戸惑いが大きすぎて、気持ちをどこに持っていったらいいのかわからない。
「ハァ……ぁ、ハ、ァ……あ」
吸った吐息を漏らすのが精一杯。口の中に溜まった唾液を嚥下することもできず、唇の端からタラタラ垂れているのが恥辱的だ。
(恥ずかしい……)
なにからなにまでなすがままにされて、口も手も出ない。力はもちろんだが圧倒的存在感の前に、みことの全神経がひれ伏してしまっている。
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